ライトパーソン(正しい人)
仕事や人生で行き詰った時に、正しい道への導きや助言をくれるような偉大なる存在。先生や師匠や先駆者など。ライトパーソンは目の前に存在する以外にも、テレビや本や歴史上での尊敬に値するような偉人も、きっとあなたにとっては、正しい道へと導いてくれるライトパーソンであるはずです。
天界からのメッセージや助言や導きは、日常生活のあらゆるところで、あらゆる人や物や出来事を通じて、実は、わたしたちにお知らせをしてくれています。でも、毎日、忙しい日々に追われているわたしたちは、そのメッセージに気がつくことなく、見落としてしまっていることが多いのです。何気ない毎日、ちょっと買い物に立ち寄ったスーパーでの出来事。ひょんなことから、すごい出会いをしてしまうことだってあるのです。今回は有名なバレリーナ振付師であった、おばあさんのお話です。
約半年前、まだすこぶる具合がわるかった頃、毎日の日課である、近所のスーパーへと買い物に。自転車置き場に自転車を止めて、さて、スーパーへ入ろうかと足を踏み入れたところ、なんと、横断歩道ではない道路を、スーパーのカートを引きながら、80歳ぐらいのおばあさんでろうか・・・松葉づえのおばあさんが足を引きずりながら横断していたのである。足が不自由で、数センチずつしか一歩を踏み出せない。
そして、まるでドラマのワンシーンかのように、右方向からはバスがぐんぐんと迫ってくるではないかっ!!思わず、まだ間に合うと思い、右手でバスに「停止してください。」の合図をとりながら、バスに止まってもらった。そして、おばあさんと一緒に道路を横断することになったのである。
横断し終えて、
「ありがとうっ!!助かったわよ!!」
「いえいえ、お気を付けてお帰りくださいね。」
なんていうような・・・さわやかな感じでお別れをする予定だったのだが・・・なんとこのおばあさん、お話が爆弾トークでぜんぜん止まらない、頭の回転がすこぶる速い、スーパー爆弾トークおばあさんだったのである。
「あなたっ!!大変助かったわ。ありがとうねっ!!。家はね、すぐそこを右に曲がったアパートなのよ。」
おばあさんは、数センチずつしか一歩を踏み出せないので、いくら近くと行っても、歩いて帰るということは、足の不自由なおばあさんにとっては、とても大変な道のりなのである。
「大変ですね。毎日歩いてご自分一人でスーパーに行ってるのですか?」
「わたしはね、股関節の手術をしたばかりなの。だから、毎日リハビリをかねて歩いているのよ。」
ふつうならば、きっとヘルパーさんや家族に付き添いを頼んだり、車いすを使ったりするだろうに・・・このお方は、ちょっとただ者じゃないかもしれないなあ。なんてたってガッツがある。ふと、カートを押す足元を見ると、なんと白い羽がいくつか、道路にヒラヒラ風に揺れながら落ちているではないか・・・。
あっ羽根だ。やばい、これ・・・なんか導かれているかもしれない・・・。
だけど、なんか怖いからっておばあさんをここに置き去りにはできない。しかも、このおばあさんの帰り道の爆弾トークと言ったら、あまりにも面白すぎて、わたしはいつの間にか、おばあさんの物語の世界へと引き込まれてしまったのである。
「わたしはね、実は、駅前のあのビル全部を所有していたのよ。1億5千万で3年前に売却して、アパートに移り住んだの。」
ほぇっ~!!お金持ちのおばあさんっ?!それとも、大変申し訳ないが・・・ちょっと認知症とか入ってしまっていたらどうしよう・・・。でも話が大規模で面白いので、ついつい聞いてしまう。
「バレエ教室を営んでいたのよ。あなた知っている?」
いや、確かに昔ここにバレエ教室があったかもしれないなあと、わたしは思い出していた。
「ありましたよねっ!!確か。そうですか、バレエの先生だったんですね。」
おばあさんは、一歩踏み出すにもとてもしんどそうなので、カートをわたしがかわりに押して、おばあさんを支えながら道をすすんでいた。カートはスーパーの主任に頼んで貸してもらったものらしい。
「わたしは母子家庭で育ったの。父がはやくに亡くなってね。母はキャリアウーマンだったから、わたしも仕事をするのが当たり前だと思って育ったの。貧しいながらにも勉強して、当時では珍しかったんだけれど、女性で理系の大学にすすんだのよ。お金持ちではないから、バレエはしていたけれど、就職をして二足の草鞋。でも、バレエのお師匠さんのすすめで、パリへ行ったの。ドイツやイギリスにも行ったわ。多くの舞台を経験して、NHKにも出演した。振付師としてこの街に、バレエ教室の経営をしながら、多くのバレリーナを育てたのよ。宝ジェンヌもたくさん来てくれたの。」
どうやら、このおばあさんは、すこぶるすごい人で、貧しいながらにも、努力の末にバレエの振付師として、大成功した方らしいのだ。
でも、わたしにとって、この方は、先ほど出会ったばかりの方・・・どこまで信じていいのやらわからないが・・・しかもお話しでは、華やかな人生だったのに、今はひとりで一所懸命頑張っていらっしゃっている・・・。まるで全部を手放してしまったかのように。
「ひとり娘がいるのよ。でも離婚してしまったから、一人で育てたわ。でも遺産問題で揉めてね。あまり寄り付いてくれなくなったのよ。」
そう言って、小さなアパートのドアのカギがなかなか開かなくて、おばあさんはガチャリガチャリと悪戦苦戦をしている。
あれっ?!気が付いたら、アパートまで着いてきてしまっった!!。まあ、心配だから、最後まで見届けようではないか。
「大丈夫ですかっ?!わたしがカギを開けますね。」
ドアを開けると、6畳一間のアパートでかなり狭いのだが、玄関には段差があるので、足の不自由なおばあさんにとっては、家に入るのも一苦労なのである。
「お荷物運びますね。!!」
わたしは、カートに入っている、買い物袋をおばあさんの部屋にどさっと運んだ。外を見ると、もう真っ暗になっている。わたしはまだ買い物を終えていない!!大変だ、子どもたちにごはん作らなくちゃ。
「では、わたしはこれでっ!!」
と伝えるとおばあさんは、
「あなたっ!!ちょっと待って、お礼を言いたいわ。あなたと繋がりたいのよ、連絡先を教えてちょうだい。」
いやいや・・・わたしは、決してヘルパーさんではないのだ。お仕事ではないのですよ、どうしよう・・・。
おばあさんの目にはたくさんの涙がたまっていて、今にもポロリと落っこちてきそうだった。
「ちょっと待って。あなたにわたしたいものがあるの。」
そう言って、おばあさんは、一冊のピンクの本をわたしに手渡してきた。
「これ、わたしが載っている本なの。ぜひ読んでみて。わたしの名前は、〇〇〇〇子。」
なんとっ!!本に載るぐらいのすごい方だったなんて・・・。
「あなたっ!!。これからも、人にはあたたかく、優しく、人々を大切にしながら生きるのよ。これからもずっとずっと。」
そう言って、バレリーナのおばあさんのアパートを後ろ背に、わたしは、カートを押しながら、行きかけていたスーパーへと足を運ぶのであった。
その後、電話番号を教えても、バレリーナのおばあさまからは、連絡が来ることはなかった。
でも、この衝撃的な出会いは、きっと、きっと、天界からのメッセージだったのだろうと今になっては思うのである。
どんなに成功して富や栄光を得ても、人々を幸福にできる人間ではないといけない。人に愛されるような人間ではないと、孤独という末路が待っているかもしれない。お金や名誉は一瞬にして失うものではあるが、人々へ残した恩恵や学びや慈しみは、人々の心に残るものであり、やがて自分に帰ってくるものであると。何を大切にして生きるか、自分に問う出来事であった。
バレリーナのおばあさんは、通りすがりの「ライトパーソン(正しい人)」となって、わたしに大事なことを伝えてくださったのである。
つづく→ ツインソウル・レイの分離ゲームを12次元に基づいて独自考察(攻略本)
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